TOTEM POLE PHOTO WORKSHOP Report vol.18

福田 晴紀 / Haruki Fukuda

石蔵が見える / The View of Stone Warehouse

2024.10.1 (tue) – 10.6 (sun)


私の故郷である栃木県宇都宮市には、古くからの石蔵が300棟近く存在している。2度の大きな戦火にも耐えた石蔵を支えたのは、火に強い大谷石(おおやいし)であった。
大谷石は荒々しい見た目であるが、独特の柔らかさをもつ。その特徴は宇都宮市大谷町の山々や採石場を彷彿とさせる。
実家の近所にも石蔵があり、気に留めないほど風景の一部として馴染んでいた。しかし、いつの日からか、石蔵が目立つようになっていることに気がついた。
今まで敷地の奥でひっそりと息づいていた石蔵だが、住宅地がまばらになったことで全貌が見えるようになっていた。その風景は、子供の頃に見た故郷の風景とは明らかに違っていた。
かつて200カ所あった大谷石の採石場も現在は4カ所のみとなり、石蔵の数も急速に減りつつある。私の目の前に姿を現した石蔵も、⻑い歴史の中では一瞬の出来事なのかもしれない。

Nearly 300 historic stone warehouses can be found in my hometown of Utsunomiya, Tochigi Prefecture. The Oya stone, known for its fire resistance, supported these warehouses that withstood two major wars.
Despite its rugged appearance, Oya stone possesses a unique softness. Its characteristics evoke the mountains and quarries of Oya-machi in Utsunomiya.
There were stone warehouses near my parents’ home that had blended so seamlessly into the surroundings that I hardly noticed it. However, at some point, I realized that these stone warehouses were becoming increasingly prominent.
Previously, the stone warehouses had been quietly tucked away at the back of the property, but now it is fully visible due to the decreasing density of nearby houses. The scene was clearly different from the one I remembered from my childhood.
Once there were 200 Oya stone quarries, but now only four remain, and the number of stone warehouses is rapidly declining. The stone warehouses before me may only be a fleeting presence in the grand sweep of history.

福田 晴紀 Haruki Fukuda
Website ≫ https://fukudaharuki.com/


10月5日(土)の19時30分〜 TOTEM POLE PHOTO GALLERYのInstagramアカウントにて、作者と当ワークショップ講師とのインスタライブを行います。今回の展示作品の制作秘話や、ワークショップ内での出来事などをお聞きしたいと思います。ぜひご視聴ください。

TOTEM POLE PHOTO WORKSHOP Report vol.17

先日のワークショップでは、公開講座として写真家 梁丞佑さんをゲストに招いて、当WS講師の有元との対談形式で執り行いました。留学生として来日した当時の日本の印象から、学生時代の過ごし方や作品にまつわるエピソード、土門拳賞受賞作品「新宿迷子」の制作秘話や、発表前の最新作「辛朝鮮」の撮影のきっかけに至るまで、作品上映を交えながら多くのお話をしていただきました。その一つ一つがヤンさんの生命のエネルギーに満ちたものであり、若い写真家の卵たちにとっては学ぶべき事が多かったことと思います。

TOTEM POLE PHOTO WORKSHOP Report vol.16

全24回のワークショップの集大成として、受講生による作品プレゼンテーションと、グランプリを決定する審査会を執り行いました。受講生たちの作品を多くの人に見ていただきたい事と、プレゼンテーションに緊張感を与えるために、受講生以外の方にも参加頂いての公開審査としています。そして、ワークショップ内だけでのプロセスを評価するのではなく、完成した作品を客観的に評価していただくために、毎回外部から審査員を招いています。審査時にギャラリーにて展示していた有元の作品「キジバト」を掲載していただいていた縁もあり、今回は雑誌『写真』編集長である村上仁一氏にゲスト審査員を努めていただいての開催となりました。

TOTEM POLE PHOTO WORKSHOP 第三期受講生募集

TOTEM POLE PHOTO GALLERYでは、写真作品制作を行う人々に向けての写真ワークショップを開講いたします。講師による写真講評の他に、ゲストを招いてのトークショーや特別講座、オンラインによる写真史の講義などを行います。またワークショップ最終回のプレゼンテーションで最優秀に選出された作品は、TPPGでの個展開催の権利を得ます。

TOTEM POLE PHOTO WORKSHOP Report vol.15

先週のワークショップでは、前回のワークショップで見事にグランプリを獲得した張宸靖さんの個展「風景が見える部屋 / Room with a view of the landscape」が開催中だったので、彼にフロアレクチャーをしていただきました。
友人知人の部屋全体をカメラ・オブスキュラにして撮影した労作。部屋から見える風景だけでなく、その部屋の住人を印画紙の前に立たせ、そのシルエットも同時にペーパーネガ(写真印画紙)に焼き付けています。

TOTEM POLE PHOTO WORKSHOP Report vol.14

昨年8月に開始した第二期トーテムポールフォトワークショップは半年間の講座を経て、3月30日をもってひとまず終了となります。最終回ではワークショップの集大成として、受講生による作品のプレゼンテーションと、グランプリを決定する審査を行います。ゲスト審査員に雑誌『写真(Sha Shin)』の編集長である村上仁一氏を招いての開催。グランプリ受賞者には10月にTPPGでの個展開催の権利が与えられます。

TOTEM POLE PHOTO WORKSHOP 第二期受講生募集

TOTEM POLE PHOTO GALLERYでは、写真作品制作を行う人々に向けての写真ワークショップを開講いたします。講師による写真講評の他に、ゲストを招いてのトークショーや特別講座、オンラインによる写真史の講義などを行います。またワークショップ最終回のプレゼンテーションで最優秀に選出された作品は、TPPGでの個展開催の権利を得ます。 ≫ WeChat(中文)