TOTEM POLE PHOTO WORKSHOP Report vol.2

当ワークショップでは受講生の作品の向上に務めることを主なる目的として開催しています。当日までに受講生が新たに撮影した作品をプロジェクターで上映し、講師による検討や受講生同士のディスカッションを通じて、次回の撮影の為の新たなアイディアが生まれたり、また反省点なども見つけてゆきます。その他にも時間の許す限り、受講生がお気に入りの写真集を紹介したり、見に行った写真展についての情報を交換したりと、自発的な写真活動の場を設けいています。

今週のワークショップでは受講生の曹さんがオランダ人フォトグラファー、マーベル・ハリス(Marvel Harris)の作品集「MARVEL」を紹介してくれました。この写真集はイギリスの出版社MACKが主催する過去に写真集出版経験の無い作家の出版支援を目的とする「First Book Award」の2021年グランプリ受賞に伴い刊行されたもので、作者自身が精神的トラウマやジェンダーアイデンティティーの問題に向き合った個人的な戦いを、5年に渡って撮り続けたセルフポートレイトで表現した作品です。衝撃的な内容ながらもどこか優しく、希望に満ち溢れた読了感を得ることのできる良著でした。「教えることは学ぶこと」とも言いますが、講師自身も受講生から学ぶことの大きいワークショップです。