林詩硯 / Lin Shihyen
針の落ちる音 / Hear a pin drop
2022.9.20 (tue) – 9.25 (sun)
Open 12:00 – 19:00
痛みの唯一の共通点とは、他人と共有できない体験である。しかし、その共有できない痛みから生まれた孤独感はみんな同じだ。」と韓国の人権活動家のキムサラン氏は言う。
私が自傷行為を始めて14年も経った。自傷癖があるレベルとは言えないが、いまだに切ってしまうことがある。十代の頃、私は死への恐怖を覚えるために自傷を始め、裂いた肌色から赤色が流れてきた時、本能的に怯えた。
その反応の底には、きっと生への欲求があるだろう。
生と向き合っている人々、それぞれの姿をレンズに通して記録していく。今までうまく見えてこなかった自分の姿を見るように。感情が潮の様に日々満ち引き、それでも時間の流れはいつも静かで、風景の中に光っている。写真になったら、生きている証になれるだろうか。
いつか、その共有できない痛みから生まれた孤独感が和らぐように。
林 詩硯
Profile
1991年台湾台北生まれ
2015年 台湾科技大学デザイン学科卒業
2020年 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了
現在東京藝術大学附属写真センター教育研究助手在職中。