耿翰林 / Geng Hanlin
家 / Where The Heart Once Knew
2025.8.5 (tue) – 8.10 (sun)
Open 12:00 – 19:00
「故郷」は、私にとって、まったく異なる二つの場所を指していました。
私は内モンゴルの小さな町で生まれ、祖母と一緒に過ごす時間が多くありました。しかし、両親の仕事の都合で、中学入学前に家族とともに別の町へ引っ越しました。どちらの町にも生活していた思い出があるので、私にとってはどちらも故郷だと感じています。
最初の十年間、そばにはいつも祖母がいてくれました。しかしその後は、高校や大学に入り、祖母と会えるのは長期休暇だけとなり、だんだんと会う機会は少なくなっていきました。両親の家も祖母の家も、同じ内モンゴルにあるとはいえ、その間には700キロという、簡単には行き来できない距離がありました。なので、休みのたびに両親の家に帰るか、祖母のもとへ向かうか、その選択に悩むようになりました。
私にとって祖母は、この二つの町をつなぐ大切な存在でした。行き来を繰り返す中で、「家」と呼べる場所にいられる時間は、歳を重ねるごとに少しずつ短くなっていくように感じます。でもそれは、きっと誰もがいつかは通る道なんだろうなって、そう思えるようになりました。
耿翰林 / Geng Hanlin




Profile
1999年 中国内モンゴル生まれ
2024年 専門学校東京ビジュアルアーツ・アカデミー写真学科入学
2023 東京 グループ展「The World Through Our Eyes」
2023 東京 グループ展「The World Through Our Eyes vol.2」
2025 東京 グループ展「翡翠の羽音」
Instagram:@muz_hanley
Website:genghanlin.com