Tide Rises Ⅱ

宛超凡 / Wan Chaofan

満ち来る潮Ⅱ / Tide RisesⅡ

2017.9.5 (tue) – 9.17 (sun)

Open 12:00 – 19:00 Closed Mondays

余計な話

 我々が生きている世界において、絶対に正しい見方というものは存在しないのではないだろうか。人の数だけ考え方があり、人によって異なる世界が存在しているはずだ。

 私にとって写真とは、自分の世界を創る方法である。写真を撮る行為は私の生活の一部であり、写真は食事や水のようになくてはならないものだ。そして、写しとった1枚1枚の写真は、自分自身の世界を構築する素材である。カメラを利用して目の前の世界を解体し、現実世界の断片を使い、もう一つの世界を組み立てる。その“もう一つの世界”とは、いわば心の中の世界である。

 また、ある意味では、写真は撮影者を映す鏡のようなものである。鑑賞者は、写真を見ることで、この写真を撮った人はどのような人かを知ることができ、写真を通じて、写真家の心の世界へ足を踏み入れることができるとも言えるだろう。そこには、写真家と二度の出会いがある。

 それでは、私は、これらの写真を撮った数年間の“私”をここに置き、あなたに捧げる。

 シャッター音は、この世界への私なりの挨拶だ。カメラを握って、目の前の世界が私のところに湧き出して来た。まるで潮が満ち来るように、波が止まず、一波から万波になった。潮騒を聞きながら、写したいものに出合って、シャッターを切って挨拶をする。

こんにちは。

さようなら。

宛超凡