下薗詠子 / Shimozono Eiko
絆の肖像
2009.9.1 (tue) – 9.6(sun)
Open 12:00 – 19:00
『絆の肖像』
写真にも音色があって、心を澄ますと聴こえてくるよ。
フィルムに刻まれた命の息吹は光となって色付きはじめた。
粒子は音符に変わるんだ。
だから、私はタクトを握り、写真達の指揮者となった。
光と闇の、そして生と死のメトロノームは激しく揺れて、私はバランスを失った。
いつしか写真を撮るという行為は、苦しみから解放される唯一の手段となり、
鎮痛剤あるいは解毒剤的役割を果たしていた。
撮る程に、呪縛の如きカルマから解き放たれ、浄化されてゆく。
『光と繋がりたい、繋がり直したい』
改心すべく、切り刻んだ瞬間やあらゆる傷を繋ぎ直した。
振り返ると11年という歳月が経っていた。
それまでの間、私の撮った写真達は、ひそやかに時が満ちるのを待っていた。
眠りから覚めた写真達は、一斉に「絆」という旋律を奏でてくれた。
そして、そっと教えてくれた。
深い絆を知るために今まで傷つき苦しんだことを、
魂の繋がりを求めていたことを。
相手との人生が重なり合った一瞬の尊みが今になって心に沁みる。
街を彷徨いいつか出会うあなたを求めた。
下薗詠子
1979年 鹿児島県生まれ
1999年 九州ビジュアルアーツ専門学校卒業
2000年 同校研究科卒業
グループ展「視る事への回帰」(アクロス福岡)で『花』出品
2001年 「新しい写真家登場」(新宿コニカプラザ)で『現の燈』出品
2002年 写真展『現の燈』(大阪ビジュアルアーツギャラリー)
2007年 写真展『WATER』(namu-)
在学中より音楽・スポーツ雑誌やCDジャケットを中心に活動。現在に至る
9月1日、18時~20時オープニングレセプションをおこないます。お気軽に参加下さい