大須賀 馨 / Kaoru Ohsuga
Gel
2025.6.10 (tue) – 6.22 (sun)
Open 12:00 – 19:00 Closed Mondays


生命に触れたくて山へ向かった。
山に入れば自身の存在は異質で、こちらからは捉えられない動物達の視線の圧で息が詰まる。
銃で仕留めた鹿の腹を裂き、中にできた血溜まりは湯のように熱かった。
鹿の腹に手を入れた瞬間、漠然と捉えていた生は質感へ変わり、流れ続ける時の流れに触れた気がした。
写真は時の流れを止める。
しかし、あの鹿の生命はこの画の中で、流れ続ける。
大須賀 馨