PhotoONE連動企画台湾若手写真家展
古佳⽴ / Koo Jia Lih
理想と荒野のあいだ / A Town in Waiting
2026.8.3 (mon) – 8.16 (sun)
Open 12:00 – 19:00




カメラを⽚⼿にこの場所を彷徨っていた⽇々、時間はゆっくりと流れていた。穏やかで美しい幻想に包まれることもあれば、不安や恐れに呑み込まれることもある。時折、⼩さな驚きにも出会った。私はこの新しい街に、未来への幻想を重ねていた。そこには未知や希望、無⼒感、そして恐れが混ざり合っている。
淡海ニュータウンは、都市中⼼部への⼈⼜集中や住宅不⾜、住宅価格の⾼騰を緩和するために、淡⽔で開発が始まった新しい街である。
街へ⾜を踏み入れると、⾼くそびえる建築群が⽴ち並び、フェンスで囲われた広⼤な荒れ地が広がっている。農地もあれば、穏やかな海辺もある。ここでは時間の感覚が曖昧になっていく。急速に積み上がっていく建設と、⼈も⾞も少ないゆるやかな時間。その両⽅が共存することで、淡海にはまるで仮想都市のような、どこか現実感の薄い空気が漂っている。
1990年代末に⽣まれ、台北の密集した都市の中で育った私は、ずっと、もっと広く静かな場所で暮らすことを夢⾒てきた。だからこそ、この場所に強く惹かれているのだと思う。淡海は私にとって、やさしく、無限の可能性を秘めた⼟地であり、理想の場所への憧れそのものでもある。しかし、いま⽬の前で進んでいるこの開発が、本当に理想郷へ向かっているのか、それとも儚い夢の崩壊なのか、私にはまだ分からない。
しばらく時間を置いて再び淡海を訪れると、長く閉鎖されていた道路では⼯事が始まり、海沿いには新たな⼯事⽤フェンスが⽴ち並んでいた。⼣⽇を眺めていた秘密の場所にも、ショベルカーや仮設の警備⼩屋が現れている。
私たちはただ、過去に別れを告げ続けながら、この街がどこへ向かおうとしているのかを⾒つめている。
古佳⽴
1998年⽣まれ、台北出身。
淡江⼤学マス・コミュニケーション学科卒業。
現在はフリーランスのフォトグラファーとして活動。
環境や⾃身の感情、⼼理状態を主題に制作を⾏う。個⼈的な記憶と響き合い、⾃身の内⾯世界に重なるイメージを、カメラを通して探し続けている。ランドスケープ、ストリートスナップ、⽇常の記録、プライベートフォトを主な表現⼿法とし、静けさを帯びた空気感のある作品を特徴とする。
2021 「Emerging from the Wilderness」ヤング・ポートフォリオ、清⾥フォトアートミュージアム、山梨、⽇本
2023 台湾報道写真賞 シリーズ部⾨ 第三位「淡海ニュータウン―理想の⼿前で」
2020 台湾報道写真賞 シリーズ部⾨ 優選「独棟風景」
Website: https://jialihs940222.wixsite.com/portfolio
Instagram: https://www.instagram.com/jialihkoo/
【会期中イベント】
今回の展示は台北で開催されている写真フェア「Photo ONE」と連動した企画となり、photographers’ gallery と Place M との共同開催として、台湾出身の若手写真家を三名を紹介いたします。
8月8日(土)には以下のタイムスケジュールにて、三ヶ所のギャラリーを巡り、それぞれの展示作家のフロアトークを行います。この機会、お誘い合わせのうえぜひご参加下さい。
2026.8.8 SAT 合同ツアー:オープニングとトーク
※スマートフォンでは左右にスクロールしてご覧ください。
| 15:00–15:30 | 〈台北再会 (Taipei No Goodbye) / 林軒朗〉オープニング | photographers’ gallery |
| 15:30 | Totem Pole Photo Gallery へ移動 | Totem Pole Photo Gallery |
| 15:50–16:20 | 〈理想と荒野のあいだ (A Town in Waiting) / 古住立〉オープニング | |
| 16:20 | Place M へ移動 | Place M |
| 16:40–17:10 | 〈流れのない空間―溜めこむ人々 (Static Space – Hoarders) / 黄郁修〉 オープニング | |
| 17:10–18:10 |
ARTIST TALK 登壇者:北島敬三、瀬戸正人、有元伸也、 沈昭良、林軒朗、黄郁修、古住立 |
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| 18:10–19:00 | 交流会 |


